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大手5社の新聞社説を読み比べ。【どういう立場から主張しているか】が分かれば、より面白くなる!(事例:2017年8月5日~8月11日)

各社の「新聞社説」をどう読み比べればよいか。

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社説とは、新聞各社の「意見や主張」のことをいいます。

新聞社説を読み比べるというのは、各社の「意見の違い」を読み比べるということ

新聞社説を読み比べるメリットは…

・一つの話題に対して、どんな「意見」があるのか分かる。

・一つの話題に対して、どんな「論点」があるのか分かる。(どんな角度から見ているか)

・世の中の出来事に対して、複数の新聞社が取り上げていたら、「どの話題に関心が集まっているか」が分かる。

 つまり、世の中の出来事に対してのどんな見かたができるかといった視野が広がります。

1社の社説を読むだけでは気づかなかった「視点」が見つかることが、読み比べの面白いところと言えるでしょう。

 

新聞各社の立ち位置とは

新聞各社はどのような立ち位置からモノ申されるのでしょうか。あくまでも印象的な意見としてではありますが、次のように取れるかと思います。

 

朝日新聞さん…エリート的なリベラル側の新聞さんです。政権に厳しく、よくモノ申されてます。時にぐうの音も出ない程の的確な正論でモノ申す姿は、逆に鼻につくことも。。。?

 

産経新聞さん…日本バンザイ!いちばんガミガミしているように見えます。そして、ごくたまーに見せるおちゃめな姿は「産経流ツンデレ」と言っても良いのでは。。。政権のご指摘には「だから改憲でしょ」や「だから国防強化だ」という意見に繋がりやすい。北朝鮮と中国に一番厳しいのが産経新聞さん。

 

毎日新聞さん…政権に対してモノ申す、淡々としたリベラル側。「そもそも論」になる傾向がみられる。朝日新聞さんと立ち位置が近い感じだけど、そこまでビシィィッ!っとはしていない。

 

日本経済新聞さん…さすがのビジネス一筋な日経新聞さんの社説。「そんなこと言ったって現実やることやらなきゃね」と、もっともサバサバしてる。社説ではビジネス事例の紹介や、プレゼンが始まったか?と見られる時も。

 

読売新聞さん…あからさまと言っても差し支えないくらい政権寄りの発言。むしろ強みとしているのか。 「政権にモノ申すようで国民との仲を取り持っているよねこれ」という社説をしばしば見かけます。

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「朝日新聞をオジサンに例えると、〇〇なオジサンだよ!」と、思わず誰かに話したくなるくらい、新聞が面白く読めるようになります☆ 

f:id:daishibass:20170709230141j:plainいろんな意見から真実を浮き彫りにしていく、という楽しさを味わえます♪

 

◇ ◆ ◇

では、新聞各社が実際にはどのようにテーマを取り上げているのか。

大手5社(朝日、産経、毎日、日経、読売)の2017年8月5日(土)~8月11日(金)の社説読み比べを振り返り、それぞれの論点を比較してみましょう。 

もくじ

8/5(土)

内閣改造について3社。

安倍政権は内閣改造について会見を行い、「新たなスタート」だと示しました。テーマの受け取り方について、対比が見られました。

朝日新聞…「経済政策、ちゃんとやる気あるの?」と、「政策への向き合い方そのもの」について疑問を持っていました。

産経新聞…「少子化対策に触れてないよ!すぐやって。」という意見でした。

日経新聞…「長い目線からの政策を立ててね。」と改造後の内閣についてある程度評価をしました。 

 

8/6(日)

原爆の日について。

広島の原爆投下からちょうど72年。

4社が「核を減らしていこう」という意見の中、産経新聞さんは「現実問題として、核兵器を持つ他国がいるのに、単に理想だけで本当に平和が保たれるか?」という意見です読み比べをする話題とするなら。5社の立ち位置がよく表れているテーマであると言えます。

朝日…核の傘から抜け出して、禁止条約の参加を目標に。

産経…現実の脅威をよく理解た上での国会議論を。

毎日…核廃絶に向けて「第二の革命思想」が必要だろう。

日経…核軍縮をどう進められるか、日本の覚悟が問われる。

読売…今は核の傘への加入やむなし。日本が中心になって核軍縮を訴えていくべき。

※核軍縮とは、他国同士で力の均衡が崩れないようにバランス見ながら核を減らしていく方法をいいます。

 

8/7(月)

各社、取り上げるテーマがばらけた日となりました。

 

朝日新聞さんは主催する夏の甲子園に力が入ります。

産経新聞さんは、トヨタ・マツダのEV協力体制について取り上げ、応援姿勢を見せました。

f:id:daishibass:20171118193403j:plain電気自動車は構造がガソリン車に比べてかんたんな作りです。複雑な機械のガソリン車を組み立てるための仕組みや、下請けさんとの連携が得意である日本の自動車産業にとって、巨大規模となった産業構造を方向転換させるのは容易でありません。

今後どのように方向を変えて、EV市場に食い込んでいけるかが課題となります。

 

8/8(火)

北朝鮮への新たな制裁に4社。
北朝鮮への制裁に消極的だった中国が折れ、一国ではさすがに分が悪いと判断したであろうロシアも折れ、新たな制裁の決議を全会一致で採択することとなりました。

朝日新聞…制裁しつつも、日米韓は膠着状態を変えるような新たな結束を。

産経新聞…中国、ロシアが石油の供給を続けるのは残念。必要ならもっと圧力をかけよう。

毎日新聞…ASEAN地域フォーラムで示した北朝鮮の主張は、みんな聞いてくれなくなっちゃったね。

日経…北朝鮮が今後ダダこねてきたら、もっと圧力必要かも。

 

内閣改造後について2社。

産経新聞…安倍内閣の実力は甘く見ないでおこう。企業、個人に染み付いたデフレ志向を取り除いてね。

毎日新聞…政権と官僚の悪しき風習を、情報公開や公文書管理のルールを決めることで改めていってね。

 

トヨタとマツダのEV協力体制に2社。

昨日の産経新聞に続き、2社が取り上げてます。

日経新聞…世界に対する競争力の強化となっていってほしい。

読売新聞…トヨタの成果とマツダの技術をどう生かせるかがカギでしょ。

 

8/9(水)

河野外相の外交デビュー(対中国)について2社
内閣改造で外相に起用された注目の河野太郎氏。中国との会談については産経さんと読売さんが評価しています。

産経新聞…中国の失礼な発言を意図的に引き出してたんなら、ナイステクニックなんじゃない?

読売新聞…まずは堅実なデビュー。その調子で、お上にはモノ申さぬように。

 

50年の節目となるASEANについて日経さん。

日経新聞… ASEANと中国での合意は、法的拘束力がないから効果薄いんじゃ?

 

「日本ファーストの会」設立について毎日さん。

毎日新聞…ネーミングがトランプ氏の米国第一主義みたいで何なんですケド、経済政策については自民党とどう違うか、結成までに考えておいてね。

 

8/10(木)

「佐川国税庁官の就任会見なし」について2社。
森友学園問題において、あやふやな答弁をしていた当時の財務省理財局長である佐川氏が、国税庁長官になりました。

恒例行事である就任会見について、日程を引き伸ばした上に「ちょっと諸事情が…」と最終的には拒否。これに食らいつくは朝日さんと毎日さん。

朝日新聞…佐川さん出てこないなら、麻生さんに調査の指示してもらおうよ。首相は丁寧に説明するって言ってんだから。

毎日新聞…えーなんで佐川さん出てこないの?意味フメイ。そんな人から納税大切って言われても説得力ないよ。首相がいう「丁寧な説明」を佐川氏にもさせてよね。

 
「日本ファーストの会」設立について、9日の毎日さんに続いて読売さんも。

読売…与党ピンチの時に現れては消えていった新党たち。反自民党の受け皿の位置だとしても、国政でまず何を目指すかハッキリさせたら?

 

8/11(金)

「陸自日報問題の進展なし」に4社
防衛相が稲田氏から小野寺氏に引き継がれたものの、閉会中審査での日報問題について進展がありませんでした。

朝日…隠蔽体質が引き継がれただけだったか。

毎日…稲田氏が隠したのか、文民統制が出来なかったのかを検証する必要あり。

日経…今までと同じ構図だね。今は北朝鮮とか怖いから小野寺防衛相は対策進めて。

読売…時代に合った公文書の管理基準をどうやって作成するかが課題だね。

 

f:id:daishibass:20171122051940j:plain何をどんな切り口で取り上げていたか、各社の違いが表れていたと思います。一社だけ読むのではわからないものが浮き彫りになってくる。社説の読み比べをすることで、そんな面白さが味わえるようになりますね!

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