「社説」とは新聞や雑誌の意見・主張。読み比べれば、どの話題に注目が集まっているかわかり、時事問題にも強くなる!
大手5社(朝日、産経、毎日、日経、読売)の社説を要約して読み比べます。
《記事比較》COP23閉幕
ドイツのボンで開かれた、地球温暖化対策をめぐる国際会議、COP23が11月18日に閉幕しました。
温暖化対策であるパリ協定を進めるにあたり、どれだけ削減できたか、量を確認するルールについては、来年のCOP24で行われる予定です。
新聞5社で取り上げ方に違いが出ていました社説を要約して読み比べてみましょう。
まず取り上げたのは、読売新聞さんでした。
2017/11/19
読売新聞
COP23閉幕 米国抜きのパリ協定に道筋を
離脱する米国の後を追う国は無かった。各国の結束が続いたことが最大の成果だろう。仏大統領がCO2を排出しない原発の活用を示した意義は大きい。
日本は発展国への技術支援などを発表。世界への貢献が日本の存在感を高める。
「各国の結束続く」「技術支援で発展国に貢献」といった捉え方をしています。
2日後には4社が取り上げました。
2017/11/21
朝日新聞
地球温暖化 米政権は現実を見よ
トランプ政権はパリ協定に逆行をやめず、世界から批判されてるけど、米国内でも批判されてる現実をよく見るべき。
日本も消極的な国だと見られてる。石炭火力発電の輸出を途上国に向けて続けているからだ。政府と産業界は自覚してほしい。読売新聞さんと比べて、日本の印象がずいぶん違いました。石炭火力発電の輸出について自覚すべき、つまり見直そうというご意見です。
産経新聞
COP23と日本 脱原発では気温下がらぬ
日本が目標として掲げた26%減という数字は、太陽光など再生可能エネルギーだけでは
土台むり。
原発が必要なのに政府の進みは遅い。各国ともそれぞれの状況に応じた取り組みをしている。日本は原発を使った削減策が必要。 原発推進派の産経新聞さんは、堂々と「原発を使おう、政府はもっと早く取り組んで」と主張をしています。
毎日新聞
ボンでのCOP23閉幕 日本の石炭火力に厳しく
石炭火力発電を途上国に輸出することを決めた日本の姿勢が、環境NGOなどから激しく批判されたのが残念だ。
世界の流れである脱石炭から外れるようなら、国際協調に反発していると見られかねない。途上国支援すら評価されなくなってしまう。日本が「激しく批判されている」としています。読売新聞さんの「結束が続いた」とはだいぶ状況が違うように受け取れます。
日経新聞
パリ協定の実行へ日本は積極的役割を
日本は掲げた目標に向けて、火力、原子力、太陽光などの最適な電源構成(ベストミックス)を将来どうしていくか、決めていかなければならない。
得意としている環境技術や対策について、政府がメディアなどでの説明をしなかったのは残念だ。現実路線で語る日経新聞さんは、「実際問題、電源構成のバランスどうするか」ということと、日本のアピール下手を指摘していました。
各社違いが表れた
COP23についての印象が、各社でだいぶ違うことが浮き彫りになり、「読み比べ」の面白さが出るテーマだったと言えます。朝日新聞さんは、読売新聞さんに対して「違うでしょー」と言いたかったのかもしれませんね。
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要約の方法についてはこちらの記事にて↓
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各社社説の参照先
朝日新聞 →社説トップページ
産経新聞 →社説トップページ
毎日新聞 →社説トップページ
日本経済新聞→社説トップページ
読売新聞 →社説トップページ
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