横浜優勝!
「ベイスターズがとっても元気!」
「ここ数年、チケットがぜんぜん取れないらしいよ」
2016年までの4年間で、スタジアム動員数1.6倍、売上1.8倍と脅威の成長を見せ、約30億円あった赤字も今や黒字化へと転換。
注目すべきは「野球が強くなった訳ではないのに経営を改善できた」こと。
え…野球が強いから人気が出て、経営も安定するんじゃないの?と普通なら考えますよね。野球の強さに影響されない?…なんでそんなミラクルが起きるの!?
本のタイトル「空気のつくり方」は、その答えでもあります。
球団社長である著書の池田純氏は、何を言わんとしているか?
もくじ
[:contents]
空気が変わるその時が、たまらなく最高でアツくなる!
著者が社長就任となる初年度、選手やコーチ達に向けて、経営のことについて分かりやすく説明をして協力を求めます。
「俺たちは野球をやるんだ。経営なんて関係ない」 そんな空気が、実際の声としても現場に漏れてきました。
こうして著書は晴れないスタートを切ります。
選手たちはファンサービスの要請に協力してくれるものの、閑古鳥の鳴くスタンドにサインに行くことに対して「本当にやる意味があるのか?」と懐疑的でした。
一方、経営の成果はあがってくるので、ハマスタに訪れるお客さまがどんどん増えていくことを実感していきます。
順位は変わらず低迷している。
それなのに観客はどんどん増えている。
日を追うごとに変わるスタジアムの空気。
歓声が増していくたび、選手たちのファンサービスにも少しづつ力が入っていくようになりました。
「今日は俺がいく」 「いや、俺もいく!」
試合前後の自身の調整も大切なのに、今やファンサービスの協力依頼に対し、前向きな空気を見せるチームとなりました。彼ら選手こそが、最もファンの大切さを肌で感じているのでしょう。
「次は俺たちの番ですよね」
「結局五位六位では悔しい。絶対に勝ちたいんです」
(そう、こういう空気が必要なんだ。勝ちたいって思わなきゃいけないのは選手たちなんだから)著者はこぼれそうな涙を堪えます。
就任当初に感じた「空気で負けている」雰囲気はありません。
もはや「次は俺達が結果を出す」という強く醸成されたチームに生まれ変わっていると著者は感じ取り、力強く変わりゆく空気に期待を寄せていきます。
本のポイントはコチラ!
- 空気は良くも悪くも人を支配する。(本質)
- コントロールできる領域を完全にコントロールして、空気を味方につける!(手段)
- 規模を高望みするのではなく、決めたターゲットに対して満足の純度を上げる!(手段)
空気づくりを視野に入れることで、自社内やお客さまに与えられるメリットとは?
より深い理解からビジネスに活かしていけるよう、本書の要点を掴んでいきましょう。
著者の経歴
住友商事、博報堂を経て2007年にDeNAに入社。執行役員マーケティングコミュニケーション室長から、NTTドコモとDeNAとの合弁会社の社長を務める。豊富な企業再建の経験から、2011年には横浜DeNAベイスターズ初代社長に就任。
「空気をつくる」って何?
本書の目的である、空気をつくること。読み進める上で重要な「マーケティングの概念」 についてどう捉えているか。
マーケティングと一口に言っても多彩。企業や発信者によって定義付けが変わってきます。
本書「空気のつくり方」においてのマーケティングは、全体最適の軌道に乗せるための10のプロセス(手段)を示しています。
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第1章中に記されている、その「10のプロセス」とはコチラ
①アナログ、デジタル、さまざまなツールと手法を駆使して最適なデータと情報を収集する
②徹底した自社の組織分析と市場分析と顧客分析を行う
③すべての戦術構築において基軸となる「戦略ターゲット」を定める
④戦略ターゲットが「実は求めていた」商品を創造する
⑤ストーリーを創造する(商品と顧客、自社と顧客がつながるコミュニケーションを創造する)
⑥実質的な数字につながる、あるいはストーリーが伝わる広告・PRを創造する
⑦このご時世必須のWebを徹底活用する
⑧商品を通して、さらに魅力的な商品とコミュニケーションを創造する
⑨PDCAを通して、さらに魅力的な商品とコミュニケーションを創造する
⑩営業戦略にまで口を出す。責任も持つ
自他と市場を分析 → 戦略ターゲット(ペルソナ)を設定してアプローチ → ブランド力を高める。という流れをPDCAサイクルで回していくのですね。
そして「空気をつくる」ことから「野球だけでない楽しみをつくる」ことを産み出していきます。
押さえておきたい要注目の3点!
ビジネス本として是非とも押さえておきたい!3つの要点をご紹介します。
①戦略ターゲットのネーミング
ずばり、ターゲットに対して良い気分にさせるネーミングをつける(テクニック)ことです!
「サラリーマンが戦略ターゲットだ」とするより「アクティブ・サラリーマンが戦略ターゲットだ」と示す方が、アプローチする側はより具体的な手段をイメージできるようになるのは勿論のこと。
それだけでなく、お客さま側としても悪い気はしない!(メリット)ということに注目すべきでしょう。
他社の例としては、ツタヤさんが60歳以上を「プレミアエイジ」と呼んでいることが挙げられます。
相手に好印象を与えつつターゲットを明確にする、必須のテクニックと言えます。色々な業種に応用が効きそうですね。
②一流の人とのお付き合い
自分がどうあがいても、分からないものは分からないとキッパリ諦め、そのジャンルのプロと接する(手段)ということです。40歳のオジサマが10代女性の気持ちを理解できるか?言うまでもなくムリです。
得意分野についてのギブできる情報は持っておくこと。どこまでが自身のラインなのかをよく理解することが前提となります。
③ファンと歩んだ歴史こそが財産
「変えてはいけないもの」(本質)のクリティカルポイントとして、横浜スタジアム(通称:ハマスタ)を挙げています。改修や増席があっても、ファンの気持ちを考えたら移転や建て替えはありえない。
「変えるべきもの」を同時に考えつつ、その判断の核心はどこにあるのか?
ものごとを選ぶとき「相手の気持ちを常に考える」と忘れずに心がけておきたいですね。
最後に
本書は難しい知識や専門用語も出てこないので、とても読みやすく仕上がってます。
著者の考え方と実例を挙げて進むので、どんなことに気を回せば良いかの理解に繋がりやすいのも、おすすめな点♪ベイスターズファンでなくともビジネスパーソンが知っておきたい話題として、今後の展開に要注目です!
おまけ
「おわりに」でおすすめしている、山本七平氏著書『「空気」の研究』という本が、本書へ大きな影響を与えたと記されてます。
ではでは、また!
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