もくじ
社説とは
新聞や雑誌の主張・意見を指します。
新聞各社がそれぞれの考え方や立ち位置などをもとに、日々、世の中にお小言をいっているようです。
時にガミガミと。
時に淡々と。
何の話題を?誰に対して?
そもそも新聞ってどこも同じような内容じゃないの?
新聞各社が取る立ち位置は
各社、どのような視点でものごとに切り込んでいるのでしょうか。
こちらの記事から、読み比べ部分を一部抜粋しました。
朝日新聞さん…(社説)
エリート的リベラル。政権によくモノ申す。時にぐうの音も出ない程の的確な正論でモノ申す姿は、逆に鼻につくことも。
産経新聞さん…(主張)
キングオブ保守。日本バンザイ。政権批判のあとに「だから改憲でしょ」や「だから国防強化だ」という意見に繋がりやすい。
毎日新聞さん…(社説)
淡々としたリベラル。朝日さんと取り上げるテーマや意見がかぶりがち。
日本経済新聞さん…(社説)
ビジネス一筋。社説ではビジネス事例の紹介や、プレゼンが始まったか?と見られる時も。最も現実的な意見を言うのは日経さんかもしれない。
読売新聞さん…(社説)
あからさまと言っても差し支えないくらい政権寄りの発言。むしろ強みとしているのか。 「政権にモノ申すようで国民との仲を取り持っているよね」という社説をしばしば見かける。
新聞各社の立ち位置には、このような違いが現れています。
同じ出来事を取り上げられたら、その「意見の違い」を読み比べていくことが、社説読み比べの大きな醍醐味と言えるでしょう。
では、事例を挙げて各社の社説を読み比べてみます。
朝鮮学校の判決
2010年に始まった高校の授業無償化に当たり、国は朝鮮学校については無償化の対象外としました。
広島朝鮮学校は広島地裁に対し、国の処分について取り消しなどを訴えたものの、国の対応は妥当であるとの判決をされ、退けられることとなります。
この件について2017年7月20日以降、毎日新聞、朝日新聞、産経新聞、読売新聞の4社は、それぞれの視点からモノ申されています。
2017/7/20
毎日新聞…制度の理念に合わないが、学校にも改善する点がある。
2017/7/21
朝日新聞…国は適用を検討すべき。
産経新聞…北朝鮮や朝鮮総連の影響濃い学校運営を考えたら当然の判決。
2017/7/22
読売新聞…民族的なことでなく、不透明な学校運営の実態を踏まえたら妥当。
どのような立ち位置を取ったか改めて読み比べてみると、
毎日新聞さんは「どっちもどっち」的な立ち位置。後々「国の主張はおかしい」という意見に寄っていきます。
朝日新聞さんは「国の主張の方がおかしい。」無償化すべきという意見です。
産経新聞さんは「国の判決は当然。北朝鮮や朝鮮総連に教育方針影響されてるんだから。」無償化に反対。北朝鮮に強く警戒する姿勢がみられます。
読売新聞さんは「国の判決は当然。民族どうこうでなく不透明だから」無償化に反対。産経新聞さん程のストレートな北朝鮮への警戒ではないものの、その不透明さを指摘しています。
そして、逆に目立つのが日経新聞さん。やはりビジネス一筋の立ち位置からなのか、4社が盛り上がるなか、社説で取り上げることもしません。意見しない、ということです。
このように、各社における捉え方の違いがよく表れているといえます。
「流れ」を見るなら日々の社説をチェック
朝鮮学校に対する判決の流れは、この後も続いていきます。
ニュースには「単発でパッとでるニュース」と、「流れが続くニュース」があります。社説を見続けるメリットは、その「流れ」が把握できるようになることでしょう。
読み比べのまとめ
一つのものごとに対して、いろんな意見がある。
どれか一つが正解ではなく「多角的にものごとを見れる」。
読み比べでそれを味わう方が、深い理解にも繋がり、有意義に受け止められると言えるのではないでしょうか。
一社だけを見ていたら気づかない、文字のエキスパートたちが贈る共演の日々。
読み比べてみたら、見えなかったものが見えてくるようになるかもしれません。
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