- 新聞記事から要点を拾い出し、SWOT分析に繋げる方法
- SWOT分析の理解をもっと深め、本質からブレずに次の手段を考える
- 例【キリン「一番搾り」刷新 「嵐」が去って…朝日見えるか】
- SWOT分析から考察する次の一手
- まとめ
新聞記事から要点を拾い出し、SWOT分析に繋げる方法
企業が持っている「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」と、企業の外側にある出来事「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の四つから分析を行う方法です。
このように解釈できます↓
「強み→企業が持っているメリット」「弱み→企業が持っているデメリット」
「機会→外からのチャンス」「脅威→外からのピンチ」
基本的には以下のような形になります。
自社が持つ強み(S)と機会(O)に対して、その対策や次の手段を「S×O対策」のマスに埋めていく…という風になります。
SWOT分析そのもののメリットはコチラ↓
・現状の把握がしやくすくなる。
・どこの部分にアプローチすればよいか、見えやすくなる。
SWOT分析の理解をもっと深め、本質からブレずに次の手段を考える
今回は6色蛍光ペンと方眼紙ノートを使った方法で進めていきます。
取り上げるテーマのポイントをつかむ「分類考察」をして本質をおさえつつ、効果的なSWOT分析へとつなげてみましょう。
6色蛍光ペンの使い方について
こちらの記事もどうぞ↓
方眼紙ノートの使い方はコチラ↓
縦書きでも横書きでも大丈夫です。区分けが多いですが、難しい内容はありません。
おおまかには、
①そのテーマに対しての「本質」をみつけるために、何が書いてあるかを分類する。
②右下の4枠に、SWOT分析の答えを出す。
という流れになります。
では、日経MJ新聞の記事を例に、実際にやってみましょう。
例【キリン「一番搾り」刷新 「嵐」が去って…朝日見えるか】
(参照元:日経MJ新聞 2017年10月6日(水)より)
ジャニーズの超人気グループ「嵐」のCM起用をやめたキリンビール「一番搾り」。
今後の一番搾りは、どんなアプローチをしていくのでしょうか。
ちなみに管理人は「オッちゃん達への激しすぎる応援歌っ!」的なものが来ると予想します…!
ブルーハーツの「人にやさしく」がいいですっ!(もはや願望)
1.【記事を読む】6色蛍光ペンで色分け
分類考察では、6つのカテゴリ「本質」「目的」「手段」「テクニック」「強み・機会」「弱み・脅威」に分けます。
新聞にマーキングしていくと、こんな感じになります。
(「2位もうヤダヤダ」とはまた、おちゃめで面白い表現ですね。)
まずは、テーマに対する目的はどこを指しているか?ということを特に注意して探します。
企業の目的といったら「利益」となることがほとんどですが、テーマごとに見ていくので、利益以外には何を指しているかを探していきます。
今回の記事でいえば、「なぜ嵐の起用をやめたか?」という軸から見ていきます。
そうなると、「2位もうヤダヤダ」は「目的」を決めるための「本質」的な部分と受け取れそうです。
最初はだいたいの分け方でかまいません。「マーキングをする習慣」を続けていくことで、
なにげなく読む→注意して読む
というステップアップとなり、さらに
「その文章が何のことを書いているかわかる 」ようになっていきます。
2.ノートに「日付と記事のテーマ」を書く
ノートに書いていきます。赤ワク部分です。
まずは、意外と忘れがちな「日付」。後から読み返すためにとても重要です。何を書くにしても「日付を書くクセ」をつけることは、オススメします。
テーマは記事のタイトルではなく、自身が気になることにしても良いですね。
今回ならこうなります↓
日付:10月14日
テーマ:キリンビール・嵐のあとにくるものは?
3.【分類する】ノートに新聞で色分けした部分を書く
【目的(目標)】
目的は、めざしているところ。ゴール地点、もしくは中継地点。これが明確でなければ「右だ左だと騒ぐが一体どこが真ん中なんだ」というふわふわな状況になってしまいます。さらにそんな状況にさえ気づかない…という恐ろしいことにも。
・2位に甘んじていられない強い覚悟
・一番搾りをビール(業界)の本流にする。
・もう一度、ビールの特別な価値観を思い出してほしい。
【本質】
一番押さえておきたい重要ポイントが【本質】です。
本質を示すものが、ある意味のスタート地点となります。本質がわかれば、目標設定との関係も見えてきます。目標との距離が近いほど、達成に向かいやすいでしょう。
・消費者のニーズを深く理解することがモットーのマーケティング部長が主導者。
・本当にうまい一番搾りができた。
・「味や製法へのこだわり」が一番搾りが受け継いでいるもの。
【手段】
目的や目標地点に、どんな手段で進んでいくかということです。
・ビールの美味しさをしる40~50代がコアターゲット(ユーザー6割を占める)
・嵐を起用し30代をメインターゲットにしていたが、CMキャラクターを変更させる。
・麦芽を最初に絞った際に出る麦汁だけを使う「一番搾り製法」
【テクニック】
本質を明らかにする。手段をよりスムーズに動かす…あらゆる場面で、その効果を押し上げるワザや、分析のことです。
・人気者を前面に出す戦略とは一味ちがうブランド作り
・一万人以上の聞き取り調査→どういうとき、なぜビールを飲むのか。
【強み・機会】
強みは「弱み」になることもあり、機会は「脅威」になることもあります。取り上げるテーマは何か?という文脈(ものごとの前後関係)が関係してきます。
強み→
・地元の誇りを共有するスタイルができた。
…高知の場合なら「たっすいがは、いかん」(ガツンとくるビールを飲めよ)という発信を知らない県民は、いない。
・うまいビール
機会→
・ビール系飲料の税率の一本化となり、安価格が下げられるようになる。
・おいしいを知るのは40~50代
【弱み・脅威】
強み、脅威と同じように、「弱みが強みになる」ことも、「脅威が機会になる」ことも、文脈によってはあります。
弱み→
・2013年9月連続で販売量減
・最強の「2位」
脅威→
・ビールをなんとなく飲んでいる人が多い
・1位スーパードライとは3倍以上の差がある
ここまでを方眼紙に書き込むと、このようなイメージになります↓
4.情報を補足する
記事内から「推測」できることなどもSWOT部分に加えて、より効果的なSWOT分析につなげましょう。すでに知っている情報や、他からの参考も加えると良いです。
強み→
・テレビなどのマスメディアを使えるくらいの大規模
・世間のメーカー認知度が高い
弱み→
・2位である明確な理由が見えない
→「本当にうまい」のにシェア拡大できないなら、それ以上に1位が「うまい」と「思われている」か、売り方がうまいなど、要因を明らかにする必要がある。
・聞き取り調査をもとに、製品の仕上がり加減をすることは可能か、又は考えているか。
→自分たちの「良い」をどう浸透させるかといった、マスメディア戦略から抜け出せないのではないか。
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5.SWOT分析からつぎの案を検討する
ここからがSWOT分析となり、右下4ワクを埋めていきます。
方向性の確認
なぜ、2位ヤダヤダの強い覚悟があるのか。それは「本当にうまい一番搾り」ができる「味や製法のこだわり」があるからこそで、それが大きな「強み」ともなっていると読み取れます。
SWOT分析から考察する次の一手
方向性を踏まえつつ、次に何をすべきかを挙げていきましょう。
強み(S)×機会(O)の案
①マスメディア(テレビCM)を使って、地方の誇りを共有しているスタイルをどんどん紹介していき、さらに絆を深めていく。
②テレビCMを使って、40~50代に対して、ありえないくらいのやばい(すごい)応援をしまくる。ほめる。たたえる!あがめる!!祈る(?)
強み(S)×脅威(T)の案
③地元との連携を活かし、《麦芽を最初に絞った際に出る麦汁だけを使う「一番搾り製法」を地元の言葉で応援しようキャンペーン》を各地で行う。
弱み(W)×機会(O)の案
④本当に2位ヤダヤダなのか?ビール業界の追い風傾向を受けて、社内の空気をさらに
弱み(W)×脅威(T)の案
⑤なんとなくビールを飲む消費者に「なんとなく選ばれない」原因を深く追求して、理由を明らかにする。
まとめ
・そのテーマの「本質」が掴めれば、文章の読解力が高められる。
・SWOT分析の精度を高められたら、効果的な次の一手を考察できるようになる。
SWOT分析のレポート準備としても活用できます。
6色蛍光ペンで読解力を高める方法。どうぞおためし下さい。
今回は以上です!
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